小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、アレルギー性鼻炎・花粉症・風邪の初期の水っぽい鼻水やくしゃみ、咳などに用いられる漢方薬です。
特に「透明でサラサラした鼻水・痰」「寒気」「鼻や気管支の過敏反応」がある場合、優れた効果を発揮します。
古くから使われてきた処方ですが、現代医学との相性もよく、医療機関でも頻繁に処方されている漢方薬の一つです。
小青竜湯の構成生薬
小青竜湯は、次の8つの生薬で構成されています。
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麻黄(まおう)
鼻づまりや咳を改善、気管支を広げる -
桂皮(けいひ)
体を温め、寒気を取る -
芍薬(しゃくやく)
体の緊張を和らげ、痛みを抑える -
半夏(はんげ)
痰や胃もたれを改善 -
五味子(ごみし)
咳を鎮める、体力消耗を防ぐ -
細辛(さいしん)
鼻の通りを良くし、痛みを緩和 -
甘草(かんぞう)
炎症を抑え、全体のバランス調整 -
乾姜(かんきょう)
体を温め、水分バランスを整える
これらが連携することで、「冷えを取りながら、過剰な水分(鼻水・痰)をさばく」という独特の作用が生まれます。
小青竜湯の主な効果
① 透明でサラサラした鼻水を改善
風邪の初期やアレルギーによる過剰な鼻水に。
② くしゃみ・鼻づまりの緩和
鼻の過敏性を抑え、呼吸を楽にします。
③ 咳・痰の改善
水っぽい痰や、寒気を伴う咳に効果的です。
④ アレルギー症状のコントロール
花粉症の時期に継続的に使う人も多い処方です。
小青竜湯が向いているタイプ(漢方的体質)
- 透明で水のような鼻水や痰が出る
- くしゃみが多い
- 寒がりで、体が冷えている
- アレルギー体質で鼻炎が起こりやすい
- 急に冷えてくると咳が出る
- 花粉症の時に鼻水が止まらない
特に、「冷え × 水っぽい症状」 が揃っている場合に、最も効果を発揮します。
使用上の注意点
● 乾燥した咳には逆効果のことも
水分が少なく、乾いた咳だけの場合は「麦門冬湯」などが適する事があります。
● 妊娠・授乳中は医師に相談
刺激がやや強い処方のため、状況に応じて判断が必要です。
小青竜湯と他の漢方の違い(使い分け)
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葛根湯
風邪の初期の悪寒・頭痛 → 鼻水より「寒気」メインの人に -
麻黄湯
発熱・関節痛が強い人向け -
麻杏甘石湯
熱っぽい咳・ゼーゼーした症状に -
麦門冬湯
乾燥した咳に -
辛夷清肺湯
鼻づまりが強いタイプ
症状の性質(水っぽい / 乾いている、冷えている / 熱がある)を見極めて選びます。
まとめ
小青竜湯は、
「冷え × 水っぽい鼻水・咳」 に強い漢方薬です。
- 水のような鼻水
- 連続するくしゃみ
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 寒くなると出る咳
こうした症状で悩む人にとても相性が良く、即効性が期待できることもあります。