六君子湯は、胃腸の働きが弱っているときに用いられる代表的な漢方薬です。
「食欲がわかない」「すぐ胃がもたれる」「ストレスで胃がキリキリする」
こんな症状に悩む方に、古くから処方されてきました。
特に現代は、ストレス・早食い・栄養の偏り・過労などで胃腸がダメージを受けやすい時代。
そんなときに六君子湯は、弱った胃腸を“中からふっくら”支えてくれるイメージの処方です。
六君子湯の特徴:弱った胃を「気」と「消化力」で立て直す
六君子湯が得意なのは、
- 胃がつかえる
- 食欲がわかず食べる量が減る
- 胃が重い・膨満感
- 慢性的な胃もたれ
- 食後すぐ横になりたくなる
- ストレスによる胃の不調
こうした “虚弱タイプの胃腸トラブル”。
六君子湯には「気」を補いながら、さらに胃腸の動きをサポートする生薬が組み合わされています。
六君子湯の構成生薬(6つの“君子”+2つのサポート)
六君子湯=四君子湯(胃腸の基本強化)+ 二陳湯(痰湿を取り除く)
合計8種類の生薬が入っています。
● 四君子湯(胃腸の基礎を補う)
- 人参(にんじん)…エネルギーを補う
- 白朮(びゃくじゅつ)…胃腸の働きを改善
- 茯苓(ぶくりょう)…胃の水分代謝を調える
- 甘草(かんぞう)…胃腸を優しくサポート
● 二陳湯(痰湿=余分な水分・停滞を取る)
- 陳皮(ちんぴ)…胃の動きをスムーズに
- 半夏(はんげ)…吐き気やつかえを改善
● プラス2つのキーポイント
- 大棗(たいそう)…胃を温め、気を補う
- 生姜(しょうきょう)…胃の冷えやムカムカを改善
→ 胃腸そのものを“土台から立て直す”組み合わせになっています。
六君子湯が向いている人の特徴
六君子湯が合いやすいのは、次のような傾向がある人です。
- 胃腸が弱く、少し食べただけでも苦しい
- 体力が落ちてきた
- 痩せ型、疲れやすい
- ストレスに弱いタイプ
- 食後に眠くなりやすい
- 胃がチャポチャポする
- 冷え性傾向
反対に、
胃痛でも“イライラしやすいタイプ”“熱っぽいタイプ”は別の漢方の方が合います。
現代医学で注目:六君子湯は“胃の動きを改善する”エビデンスあり
六君子湯は、胃の運動を改善し、胃排出能を高める作用が報告されています。
- 食後の胃の動きが悪い
- 胃が膨れやすい
- 吐き気が続く
といった症状に対して、六君子湯は“胃に元気をつける”効果が期待できます。
六君子湯の飲み方・いつ飲む?
基本は、
- 食前または食間(食後2時間)
胃が空っぽの状態の方が吸収されやすいとされています。
まとめ:胃腸が弱っている人の“お守り”のような漢方
六君子湯は、
- 胃腸の弱り
- 食欲不振
- 慢性胃炎
- ストレス胃
に強い味方となる漢方薬です。
“無理やり胃を動かす”のではなく、
弱った胃腸を自然な形で整えていくのが特徴。
食べられないと元気も出ないため、
胃腸ケアは健康の核心とも言えます。