風邪の初期に使われる漢方薬はいくつかありますが、その中でも 「寒気(さむけ)が強い風邪」 に用いられる代表が 麻黄湯(まおうとう) です。
「ゾクゾクッとくる」「体が冷えて震える」「汗がまったく出ない」──。こうした症状が出たときに最も力を発揮します。
■ 麻黄湯の特徴
麻黄湯は、東洋医学の古典『傷寒論』に記される処方で、汗をかかせて外からの寒さを追い出すのが主な働きです。
● 主な構成生薬
- 麻黄(まおう):発汗・解熱・鎮咳
- 桂皮(けいひ):体を温める・発汗を助ける
- 杏仁(きょうにん):咳を抑える
- 甘草(かんぞう):薬の調和・鎮痛
特に麻黄が“発汗力”を担うため、体を温めて汗を出す力が強い処方とされています。
■ 麻黄湯が向いている症状
麻黄湯は「太陽病・表実・無汗(むかん)」に使う処方です。
簡単にいうと、寒気が強い + 汗が出ていない + 体力はあるときに適します。
● 具体的にはこんな症状
- 悪寒が強い
- 発熱している
- 汗がほとんど出ない
- 頭痛・節々の痛み
- 体力がある(虚弱ではない)
いわゆる インフルエンザ初期に使われることも多い処方です(医療機関でも処方されることがあります)。
■ 麻黄湯が向かないケース
次のような場合には不向き、または注意が必要です。
- 汗がすでに出ている
- 体力が落ちている・虚弱
- 高齢で心臓や血圧に不安がある
- 動悸が出やすい
- 持病で刺激の強い薬が合わない
麻黄を含むため、血圧が上がる・動悸が出るなどが起こることがあります。
■ いつ飲むと良い?
風邪を「引いた気がする」と気付いた できるだけ早い段階 が効果的です。
体が冷えて、汗がまったく出ていない時に最も効きます。
逆に、汗をかき始めた後では、桂枝湯(けいしとう) や 葛根湯(かっこんとう) が適することもあります。
■ 麻黄湯の口コミ的な効き方
実際に飲んだ人の声としては、
- 「飲んだ後にポカポカしてきて、少し汗をかいたら楽になった」
- 「寒気がスッと抜けた」
- 「節々の痛みが改善した」
というように、比較的即効性があるという感想が多いです。
■ まとめ
麻黄湯は、“寒さによる風邪” の王道処方ともいえる漢方です。
✔ 強い寒気
✔ 発熱
✔ 汗が出ていない
✔ 体力はある
そんな風邪の初期に、素早く働きかけてくれる即効型の漢方といえます。