五虎湯（ごことう）は、ぜんそく・咳・気管支炎といった呼吸器系の症状に用いられる漢方薬です。古来より“咳を止め、呼吸を楽にする処方”として知られ、特に痰が少なく、ゼーゼーするような咳が続くときに適しています。
この記事では、五虎湯の特徴・効果・原料（構成生薬）・向いている体質をわかりやすく解説していきます。
■ 五虎湯とは
五虎湯は、古代中国の医学書『金匱要略（きんきようりゃく）』に記載されている伝統的な処方で、主に気管支を広げ、呼吸を助ける漢方として用いられてきました。
特に、
- 咳が強い
- 呼吸が苦しい
- ゼーゼー・ヒューヒューする
- もともと体力はそこそこある
といった方に向いている処方です。
■ どんな症状に使われる？（効果・効能）
五虎湯は以下のような呼吸器症状に効果が期待できます。
◎ 気管支ぜんそく
気管支を広げ、呼吸をしやすくします。ぜんそくの発作が出やすい体質に用いられます。
◎ 気管支炎・慢性の咳
強い咳を鎮め、肺の働きを改善します。特に乾いた咳や、痰があまり出ない咳に良いとされています。
◎ 肺の熱を冷ます
漢方では五虎湯は「肺熱（はいねつ）」を冷ます薬とされ、炎症による呼吸のしにくさを改善します。
特に「麻黄＋石膏」の組み合わせは、気管支拡張＋炎症を冷ますという強力なペアで、呼吸器症状に働きかけます。
■ どんな体質の人に向いている？
五虎湯が合うのは、次のようなタイプの人です。
- 体力はあるほう
- 顔が赤くなりやすい
- 喉が渇く
- ゼーゼーした咳がある
- 肺熱が強い（漢方的な表現）
逆に、
虚弱・冷えやすい人、痰が多くベタつくタイプにはあまり向きません。
■ まとめ
五虎湯は、
「ゼーゼーする咳」「肺の熱」「気管支の炎症」
に強い漢方薬です。
古代から呼吸器疾患に使われてきた信頼のある処方で、特に気管支ぜんそくや強い咳に悩む方に適しています。
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