年末年始の忙しさや季節の変わり目、ストレスや疲れが続くと、「なんとなくやる気が出ない」「疲れがどうしても抜けない」という状態になりがちです。
そんなときに頼りになるのが、古くから使われてきた漢方 「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」。
その名前のとおり、中(=胃腸)を補い、気を益す(=エネルギーを補充する) 代表的な処方です。
補中益気湯とは?
補中益気湯は、元気の源である「気」を補い、全身の働きを高めてくれる漢方です。
起源は中国・金代の名医 李東垣(りとうえん)が書いた『内外傷弁惑論』に記されています。
現代でも、
- 慢性的な疲れ
- 風邪を引きやすい
- 食欲がない
-
朝起きられない
など「気虚(ききょ=エネルギー不足)」の代表的処方として非常に多く使われています。
どんな症状に使われる?
補中益気湯はこんな症状・体質の方に向いています。
✔ 疲れが抜けない
慢性的な倦怠感・午後になるとぐったりする・やる気が出ない。
✔ 胃腸が弱い
食欲不振、胃もたれ、軟便気味、食後の眠気。
✔ 風邪をひきやすい
免疫と関わる“気”を補うため、体力の底上げに。
✔ 立ちくらみ・めまい
気が不足して血流を押し出す力が弱っている時。
✔ 産後・病後の回復に
体力が落ちた時期に、回復をサポート。
✔ 夏バテ(秋まで引きずる疲労)
汗をかきすぎてエネルギーが不足した時にも。
補中益気湯に入っている主な生薬
補中益気湯は10種類ほどの生薬で構成されます。
- 人参(にんじん):体力を補い、気力を高める
- 黄耆(おうぎ):免疫力アップ・元気をつける代表薬
- 白朮(びゃくじゅつ):胃腸の働きを助ける
- 甘草(かんぞう):調整・鎮静
- 柴胡(さいこ):気の巡りを良くし、ストレスを調整
- 升麻(しょうま)・柴胡:気の上昇を助け、シャキッとさせる
- 当帰(とうき):血を補い、体力回復
- 陳皮(ちんぴ):消化と気の巡りを改善
特徴は、“気を補う生薬”と“気を引き上げる生薬”がバランス良く組み合わされている点です。
補中益気湯が選ばれる理由
● 胃腸(中気)を立て直すことで全身の元気を回復
漢方では、胃腸は「気・血・水」の源。
胃腸が弱っていると、体のエネルギーが作れず、疲労が続きます。
補中益気湯はまず胃腸を立て直し、そこから全身の機能を回復させます。
● 精神的な疲れにも有効
ストレスで気が落ちる“気うつ”タイプにも効果が期待できます。
● 病後・産後・高齢者にも使いやすい
体力が落ちている人にもマイルドに働くため、幅広く使われます。
飲むときのポイント
- 空腹時に飲むほうが吸収がよい
- 胃腸が弱くて漢方薬でお腹がゆるくなりやすい人は、食後でもOK
- 1〜2週間で軽い変化を感じ、1〜2ヶ月で体質変化が期待できることが多い
注意点
- 体力が十分にある、暑がりでイライラしやすいタイプには向きません
- むくみ・高血圧がある人は甘草による副作用に注意
- 症状に合わないと、のぼせ・胃もたれが出ることがあります
漢方薬は体質との相性が重要なので、迷った時は専門家に相談するのがおすすめです。
まとめ ― “気”を補って毎日をラクに
補中益気湯は、気力・食欲・体力が落ちた時に、
エネルギーを補充して身体を底から支えてくれる“元気の漢方”。
忙しさや季節の変わり目で調子を崩しやすい現代人にこそ、
生活の質を支える強い味方になります。
「最近疲れが続いている」「気力がわかない」という方は、
補中益気湯で身体のエンジンを整えてみてはいかがでしょうか。
https://kampostation.com/products/hochuekkito