関西を中心に、毎年1月10日前後に行われる 「十日戎(とおかえびす)」。
「えべっさん」の愛称で親しまれ、商売人や事業者にとっては一年のスタートを占う大切な行事です。
縁起物の福笹や福娘の笑顔、太鼓の音色…。
境内に足を踏み入れるだけで、どこか胸が高鳴る――そんな独特の活気に満ちています。
今回は、十日戎の由来や風習、そして“漢方的な視点”から見た楽しみ方まで、心身の養生にもつながる形でご紹介します。
■ 十日戎とは?
十日戎は、西宮神社(兵庫県)を総本社とする えびす神(恵比寿様) をお祀りする行事で、
1月9日「宵戎」
1月10日「本戎」
1月11日「残り福」
の3日間が代表的な日程。
えびす神は、
- 商売繁盛
- 五穀豊穣
-
漁業の守り神
として広く信仰され、商人や経営者、フリーランスの方まで幅広い人が参拝します。
■ 十日戎の風習
◎ ① 福笹(ふくざさ)
笹は生命力が強く、青々とした葉が一年中落ちないことから 「商売が青々と繁る」 とされる縁起物。
笹には熊手、俵(お米)、大判小判、鯛などの縁起物をつけてもらいます。
◎ ② 福娘(ふくむすめ)
神社で縁起物を授ける女性たち。
華やかな雰囲気と笑顔で、参拝者に“福”を分ける存在です。
◎ ③ 走り参り(西宮神社)
西宮神社では、開門と同時に参拝者が走って本殿に向かい、一番福・二番福・三番福を決める伝統行事があります。
圧巻の迫力と熱気は、多くの人を魅了します。
◎ ④ 商売繁盛の祈願
自分の仕事や事業の安全、利益、繁栄を願うため、多くの経営者やお店のスタッフが訪れます。
■ 十日戎を“漢方的”に見ると?
寒さが厳しくなるこの時期、漢方的には 「腎が弱りやすい季節」。
腎は生命力や気力と深く関わり、ビジネスや活動力の源となる部分。
十日戎に参拝することは
気持ちを切り替え、前向きな“気”をチャージする
という意味で、漢方的養生とも相性が良い行事です。
● ◎ 気が巡る
参道を歩き、神社の空気に触れ、人の熱気を感じることで気の流れが良くなる。
● ◎ 冬の冷え対策にも
人混みとはいえ外は冷える季節。
身体が冷えると腎の働きが弱まり、気力もダウン。
温かい服装で気血の巡りを守りましょう。
● ◎ 精神の安定
神社の空気、太鼓の音、香りなどは自律神経にも心地良い刺激となり、
心を整えてくれます。
■ 十日戎を快適に過ごすための養生ポイント
◎ ① 足元を温める
冬の冷えは足から。
靴下を重ねる、貼るカイロを使うなど、冷え対策を万全に。
◎ ② 参拝後は温かい飲み物を
白湯や生姜湯を飲むと身体の深部まで温まり、疲れを翌日に残しにくくなります。
◎ ③ 胃腸をいたわる
屋台の食べ歩きも楽しいですが、
暴飲暴食は気血の巡りを乱します。
ほどほどに、楽しむ気持ちで。
◎ ④ 無理のない日程で
夜は混雑しやすいので、
時間を分散したり「残り福」に行くのも快適です。
■ 十日戎は「福を迎え、気を新しくする日」
十日戎は、単に商売繁盛を祈るだけの行事ではありません。
えびす様に手を合わせ、
一年の気持ちを整え、
新しい“運”や“気”を取り込む――
そんな 心と体のリセットの場 でもあります。
健やかな一年、実りある一年を迎えるために、
ぜひ心穏やかに、温かくして参拝してください。